2006-2010年のベトナム国家障害者支援活動計画

 ベトナム政府は2006年10月24日に2006-2010年における国家障害者支援活動計画を承認した。

 今回の特徴としてあげられるのは、
1. 内容が第2次アジア太平洋障害者の十年の行動計画である『びわ湖ミレニアム・フレームワーク』を念頭において構成されている。特に7つの優先課題には、それぞれ独立した項目が与えられている。
2. .政令88号(Decree 88/2003/ND-CP )が2003年に出されて以来、省、郡、市レベルでは徐々に障害当事者グループの設立が認められてきたが、各種の障害を網羅した全国連合体の設立の要請はここ10年ほどの間ずっと退けられてきた。III.4においては、障害種別のグループの組織化は奨励されているが、全国組織に関しては研究を行うのみとの記され、障害者の願いは2010年までかなわないようである。
3.  障害者の権利についてはいくつかの箇所で言及しているが、「障害者の権利条約」国連での採択が予定されていた時期になされたにもかかわらず、それについては一切ふれていたい。
4.  教育・訓練省はインクルーシブ教育を推進することとしているが、障害児の70%がさまざまな形態で教育を受けられるように支援するとしている。活動においては特殊教育校の設置も奨励されていて、教育政策が明瞭ではない。。

 首相名で出されたこの5ヵ年計画は、以下の構成になっている。全文は英語フルテキスト(英語フルテキスト)を参照のこと。

決議Nr. 239/2006/QD-TTg

第1条 計画の内容
1項 目的 障害者への機会の提供
2項 指針と数値目標
3項 主要活動
4項 時期
5項 実施に際して用いられる施策
 a) プロジェクト実施のための資源の多様化
 b) 人民、特に障害者自身の参加の強調
 c) 運営責任の地方分権化
 d) 障害者支援の仕事をするスタッフの能力強化
 e) 障害者支援政策の改正
 f) 障害問題での国際協力の強化
6項 予算
7項 実施
 a) 労働・傷病者・社会問題省の責務
 b) 保健省の責務
 c) 教育・訓練省の責務
 d) 文化・情報省の責務
 e) 国家スポーツ委員会の責務
 f) 郵便・通信省の責務
 g) 建設省の責務
 h) 交通省の責務
 i) 財務省の責務
 j) 家庭問題省の責務
 k) 司法省の責務
 l) 省や中央政府管轄市の人民委員会の責務
 m) ベトナム国営テレビ・ラジオ・ニュース機関の責務
 n) ベトナム祖国戦線、大衆組織、社会・政治組織、社会組織の責務
 o) 投資プロジェクトでの省庁の責務

第2条 発効日

第3条 大臣、省機関の長、政府役人、省や市の人民委員会委員長の責務

障害者支援
国家活動計画
2006-2010

I- 計画の理論的根拠
 A 計画開発の法的根拠
 B ベトナムの障害者の状況と過去の障害に間する政策
1. 障害者の状況(人口、障害の種類と原因、障害者の傾向の変化、障害者個人の生活、教育、雇用と収入)
2. 過去の障害者支援政策の状況
3. 政策実施の状況(社会補助金の政策、整形外科―リハビリテーションと保健、、教育と職業訓練、企業と製造、アクセシビリティと公共建築物の利用、体操とスポーツ、その他の活動)
 C 成果および欠点とその理由に関するアセスメント
1. 成果
2. 欠点とその理由

II- 計画の目的、範囲、有効性
1. 目的
2. 2006年から2010年までの期間の主要数値目標
3. 計画の範囲
4. 時期
5. 計画の裨益者
6. 計画の有効性

III- 計画の活動
1. 障害の全国調査の実施と、データベースの開発、法的文書と支援メカニズムの開発
2. 障害の形態分類基準の開発
3. 障害と障害者に関する意識の強化
4. 障害者の自助団体と親の団体の設立
5. 女性障害者への支援
6. 早期発見、早期療育とCBR
7. 教育支援
8. 職業訓練と雇用
9. 交通と建設のアクセシビリティ
10. ITCのアクセシビリティと活用
11. 障害者の社会保障と貧困削減プログラムへのアクセスの支援
12. ファローアップ、モニタリング、評価

IV- 計画実施中の長所と短所
1. 長所
2. 短所とチャレンジ

V- 実施に用いられる施策
1. プロジェクト実施のための資源の多様化
2. 人民、特に障害者自身の参加の強化
3. 運営責任の地方分権
4. 障害者のために働くスタッフの能力強化
5. 障害者支援政策の改正
6. 障害問題における国際協力の強化
7. 教育支援
8. 職業訓練と雇用
9. 交通と建築のアクセシビリティ
10. ITCのアクセシビリティと活用
11. 障害者の社会保障と貧困削減プログラムへのアクセスの支援
12. ファローアップ、モニタリング、評価

                                                中西由起子
                                               2007年1月2日