CBR

障害を持っている人々のリハビリ
テーション、機会の均等化、貧困
削減と社会統合のための戦略

合同政策方針書
2004


ILO


UNESCO


WHO

           目次

      1.  はじめに..............................................................................................................1
      2.  地域に根ざしたリハビリテーション(CBR).........................................2
        2.1. CBRの概念...............................................................................................2
        2.2. 主たる目的................................................................................................2
        2.3. CBRでの概念の発展...........................................................................2
         2.3.1. 障害とリハビリテーション...........................................................2
         2.3.2. 人権.......................................................................................................3
         2.3.3. 貧困.......................................................................................................3
         2.3.4. インクルーシブな地域社会.......................................................4
         2.3.5. 障害者当事者団体の役割................................................... ...4
      3.  誰がCBRを始めるのか?.............................................................................6
      4.  CBRの主要要素..............................................................................................6
        4.1. 国レベル......................................................................................................7
         4.1.1. 国の政策.............................................................................................7
         4.1.2. 国によるCBRのコーディネーション.......................................7
         4.1.3. CBRの運営構造..............................................................................8
         4.1.4. 資源の割当て....................................................................................8
         4.1.5. 国の支援..............................................................................................8
        4.2. 中間/郡レベル..........................................................................................9
         4.2.1. CBR マネージャー...........................................................................9
        4.3. 地域社会レベル........................................................................................9
         4.3.1. CBRの必要性の認識.....................................................................9
         4.3.2. 地域社会の関与.............................................................................10
         4.3.3. コミュニティ・ワーカー...................................................................11
      5.  CBRへの多部門支援....................................................................................12
        5.1. 社会部門からの支援............................................................................12
        5.2. 保健部門からの支援............................................................................13
        5.3. 教育部門からの支援............................................................................14
        5.4. 雇用と労働部門からの支援..............................................................15
        5.5. NGOからの支援........................................................................................16
        5.6. マスコミからの支援..................................................................................16
        5.7. 地域社会支援のための協力.............................................................16
      6.  CBRのさらなる発展..........................................................................................17
        6.1. CBRプログラムの拡大と発展.............................................................17
         6.1.1. ジェンダー平等....................................................................................17
         6.1.2. 全年齢層の参加.................................................................................18
        6.2. CBRのための訓練.....................................................................................18
         6.2.1. 運営の訓練............................................................................................18
         6.2.2. DPOのための訓練.............................................................................18
        6.2.3. サービス提供のための訓練..............................................................19
      7.  おわりに.....................................................................................................................19

           
1. はじめに
 
地域に根ざしたリハビリテーション( CBR )は、地域社会ですべての障害をもつ人々に平等な機会を提供するために、地域社会のリーダー、障害を持っている人々、彼らの家族と他の関心を持つ市民の間の協力を促進する。 CBR 戦略は25年前に始められて、障害を持つ人々の参加と権利の促進と、世界中の国々における彼らの団体( DPO )の役割の強化を続けている。
 1994年に国際労働機関( ILO )、国連教育科学文化機関(UNESCO )世界保健機関(WHO))は CBR プログラムの開発への共同アプローチを進めるための「 CBR に関する共同政策方針書(ポジションペーパー)」を作成した。 その時なされた進歩にもかかわらず、多くの障害を持つ人々はまだ基本的なリハビリテーションサービスを受けていず、平等に自分たちの地域社会あるいはより広い社会で教育、訓練、仕事、レクリエーションあるいは他の活動に参加できるようにされていない。 最もアクセスができない人の中には、障害を持っている女性、重度や重複の障害を持っている人々、精神病の症状を持っている人々、HIVを持って生活している人々、貧しい障害のある人と彼らの家族がいる。 CBR 戦略の意図からすると、すべての障害をもつ個々人が年齢、性、障害の種類と社会経済的地位にかかわらず、社会で他の市民として同じ権利と機会を行使すること、つまり「万人のための社会」を保証するために努力し続けなくてはならない 。-
 2003年にフィンランドのヘルシンキでの「地域に根ざしたリハビリテーション再検討のための国際協議」において、これらの問題を扱うために努力を続ける必要性が強調された。 協議は、国連団体や非政府団体、障害者インターナショナルと共同してWHOが主催した。 協議において同意された勧告は、この方針書に取り入れられている。
 この共同政策方針書2004の目的は、障害を持つ多くの人々に影響を与える貧困に対する行動への呼び掛けや人権を強調しながらCBRは発展してきたので、その概念を記述し支援することにある。
 WHO とILO、ユネスコは CBR をすべての国で自分たちの地域社会の中で障害を持つ人々のニーズを扱うことができる戦略だと見なしている。 戦略は、地域社会の指導力と、障害を持っている人々と彼らの団体の完全参加を促進し続ける。 それは、地域社会のニーズと活動を支援する多部門協力と、目的達成に寄与できるすべてのグループ間の協力を促進する。

2. 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR) 
  

 2.1 CBRの概念
 
CBR はリハビリテーションと機会の均等化、障害を持っているすべての人々の社会へのインクルージョンのための、一般的な地域社会開発の中での戦略である。
障害を持っている人たち自身、彼らの家族、団体と地域社会、適切な政府や民間の保健、教育、職業、社会、その他のサービス、合同での尽力によって、CBR は実行される。

 2.2 主たる目的
 
CBR の主たる目的は:
1. 障害を持つ人々が自分たちの身体的、精神的能力を最大限にして、通常のサービスや機会にアクセスし、あまねく地域社会と社会に対して活発な貢献者になることが可能であることを保証する。
2. 地域社会での変化、例えば、参加への障壁を取り去ることによって、障害をもつ人々の人権を促進し保護するために、地域社会を活性化する。


 2.3 CBRでの概念の発展
 
その定義と主たる目的に変化はなかったが、 CBR の中の概念と関係者の参加に進展があった。 障害とリハビリテーションの概念、人権と、不平等と貧困削減をに対する活動の強調、そして拡大する DPOの役割の強調あたりに、この進展がある。.

  2.3.1. 障害とリハビリテーション
  障害
はもはや単なる障害の結果として考えられていない。 障害の社会のモデルは、環境上の参加への障壁が障害の主要な原因であるという認識を増した。 国際生活機能分類( ICF )は身体構造と心身機能を含むが、個人と社会的 見地の両方から「活動」と「参加」に焦点もあてている。 ICF も活動あるいは参加を制限できる5つの環境要因、つまり、生産品と用具、自然環境と人間がもたらした環境変化、支援と関係、態度、サービス・制度・政策を含んでいる。随瘧Qの原因となる環境上の障壁のすべてを排除した国はない。.
  リハビリテーションサービスはもはやサービス利用者の同意と参加無しで押し付けるべきではない。 リハビリテーションは今、障害を持つ人々あるいは彼らの代弁者が、障害を持つ人々の参加能力を高めるのにどんなサービスが必要かを決定をするプロセスだと見なされる。 リハビリテーションサービスを提供する専門家は、障害を持つ人々に適切な情報をあたえる責任を持っているので、彼らは自分たちにとって適切な事柄に関して情報に基づいた決定をすることができる。

  2.3.2. 人権
  
CBRは、障害を持っている人々が地域社会の中で平等な市民として生活し、保健と健康を楽しみ、教育や社会的、文化的、宗教的、経済的、政治的な活動に完全に参加する権利を促進する。 CBR は少女たちと障害を持っている少年たちが教育に平等権を持っている、そして女性たちと男性たちが仕事の、そして社会の活動に参加する機会に平等権を持っていることを強調する。「国連障害者の機会均等化に関する基準規則」は、これらの権利を保証するために必要な方法を扱う。 それ故基準規則はすべての CBR プログラムの指針を成す。
  国連基準規則をさらに強化するために、国連総会は「障害者の権利と尊厳の保護と推進に関する条約」を発展させることに決めた。 CBR 戦略は条約の条項を実行するための理想的な骨組みを作ることができる。

  2.3.3. 貧困
障害と貧困の間に強い相互関係がある。 貧困が障害の増加につながり、障害が今度は貧困の増加につながる。 このように、大多数の障害を持っている人々が貧しく暮らしている。彼らの失業率は、工業国でさえ障害のない人々と比較してより高いことが研究で示された。途上国には大多数の障害を持つ人々が住んでいて、確かに彼らの失業率と不完全雇用はもっと高い。 保健とリハビリテーション、教育、技術訓練と雇用へアクセスできないことが。貧困と障害の悪循環の一因となる。
  2000年に、国連加盟国は「ミレニアム宣言」を採択し、宣言の実施を進めるために8つの「ミレニアム開発目標( MDGs )」を定めた。 すべての目標は障害に関係し、3つの目標が障害を持つ人々と彼らの家族で人々に特に関係している。
1. 厳しい貧困と飢えの撲滅し
2. 普遍的な初等教育の達成
3. ジェンダー平等の奨励と女性のエンパワメント.
  貧困削減に関して、各国は、自分たちのニーズと能力に適した作戦を発展させ、国際銀行、財団やと支援機関から援助を要請すよう求められた。
  MDGに対応し貧困に取り組むための国家戦略に障害を持つ人々の参加を保証する方策を含むことは不可欠である。 CBR それ自体は地域社会開発の中での貧困削減戦略であると、見なすことができる。 障害を持つ子供たちの教育、障害を持つ青年期や成人の雇用、障害を持つ人々の地域社会活動への参加を保証する地域社会レベルでの事業が、開発のために国家戦略や政策に対してモデルとなることができる。
  貧困削減のために働く機関や団体が、女性のための特定のプログラムの重要性を認識してきた。彼女たちは自分たちの子供の保健や教育、福祉に著しく貢献している。 しかし、これらの特定プログラムは日常的に障害を持つ女性を入れていない。 CBRプログラムは、一般の女性たちの間の貧困削減を目的とするプログラムへの障害を持つ女性の参加を促進することに効果的である。

  2.3.4 インクルーシブな地域社会
  
「インクルーシブ」という用語は、障害を持つ子どもを含めるすべての子どもたちが、普通の地域の学校や学習センターに完全に参加するのを良しとする教育の提供と関連して使われている。 「インクルージョン」の原則も、保健、技能訓練と雇用での政策とサービスや、一般的な地域社会での生活に適用されている。
  インクルーシブな地域社会の概念とは、地域社会が既存の取り決めに合致するように、自分たちを変えていくことの期待よりむしろ、障害を持つ人々のインクルージョンを容易にするために自分たちの組織や手順の改変である。 それによってすべての市民と彼らの平等な扱いに焦点があてられ、再度、障害を持つ人を含むすべての人々の権利は尊重されるべきであるという事実が強固にされている。 地域社会は自分たちを顧み、どのように政策や法律、一般的慣習がすべての地域社会のメンバーに影響を与えるか考える。
  地域社会は障害も持つ少女、少年、女性と男性の参加に対する障壁に取り組むことに責任がある。 例えば、障害を持つ人々に開かれているある種の機会を限定する信念や態度が、地域社会の多くの人々にあるかもしれない。 政策あるいは法律が彼らを除外するために作動する条項を含んでいるかもしれない。 スロープよりむしろ階段あるいはアクセスできない公共交通のような物理的障壁があるかもしれない。 このような障壁は仕事の機会へのアクセスも減らすかもしれない。
  CBR は単に障害を持つ人だけではなく、地域社会のすべての人々に役立つ。 例えば、地域社会が障害を持つ人々のためにアクセスを向上させるための変更を行なうとき、地域社会の皆の生活をより容易にする。

  2.3.5  障害当事者団体の役割 (DPOs)
  
今日 DPOは、 CBR プログラムの開始、実行、評価において有意義な役割をする用意ができている。 同時に、彼らは障害を持つもっと多くの人々と連絡を取り、彼らを代表する際にいっそう積極的になろうと努力する。 DPOはCBR プログラムを強化する資源として 認められる必要がある。
  ほとんどすべての国で、 DPO と障害児の親の団体が設立され、そして強化されてきた。 障害を持つ女性は既存の DPOの中で自分たち自身の支部、あるいは自分たち自身の団体を組織し始めた。 これによって、地域、国、国際のレベルで障害を持つ女性と男性両方の参加と影響力は著しく増加に導かれた。
  DPOの役割には、しばしばCBRプログラムの中で、障害を持つすべての人々への自分たちの権利についての教育、自分たちの権利を保証するための権利擁護、サービスと機会にアクセス、する権利行使のためのパートナーとの協力することが含まれる。
2タイプの主要DPOが CBR プログラムに積極的に参加してきた。障害の種類をとわず障害を持つ人々を代表する障害種別を超えた団体と、聞くとか見るという特定の損傷と関係がある障害を持つ人たちだけ代表する単一障害の団体である。
両方のタイプの団体が CBR で役割を持っている。 障害種別を超えた団体は、国から地域社会レベルで、そして平等なアクセスを含む権利に関してリーダーと政策当局に影響を与える際に演ずるべき非常に重要なな役割を持っている。 単一障害の団体も、特定の種類の損傷でを持つ人々のニーズについて助言することですべてのレベルにおいて重要な貢献をする。
CBR と他の障害関連のプログラムが障害者を持つ人々と彼らの代表者と一緒に立案、実施されることは不可欠である。 DPO は、障害を持つすべての人々のニーズを見つけ、彼らのニーズを知らせ、彼らのニーズを扱うために適切な方策を進める権利と責任を持っている。 DPOが弱いところでは、 CBR プログラムが、個々人の権利とサービスへのアクセスを推進するための彼らの能力と、自分たちの地域社会の開発への彼らの完全参加を高めるために、彼らをエンパワーすることができる。
CBR プログラムに完全参加するために、障害を持つある人々は手話通訳、点字装置、ガイドあるいは輸送のようなサービスを必要とする。 交通手段の欠如、アクセス可能なインフォメーションの欠如とコミュニケーションの問題は、 DPOの開発と彼らのCBRへの参加にとって重要な障壁である。

3. 誰が CBRを始めるのか?
 
CBR のための地域社会の活動は、往々にして省あるいは NGOであるが、地域社会の外からの刺激によって多くの場合始められる。 地域社会の外からの代表者との最初の話し合いの後に、進行中の地域社会開発活動の一部にCBR がなるかどうかを決めるのは地域社会である。 地域社会開発委員会、障害者団体と他の NGO のような地域社会での種々のパートナーは指導力を発揮し、プログラムの責任をとることができる。 地域社会が一旦 CBR プログラム開始の選択すると、 CBR プログラムの運営者側は訓練、照会サービスへのアクセスと資源の動員などの必要なサポートを行なう。

4. CBRの主要要素
 
CBR は地域社会と DPO の参加を必要とする。 けれども地域社会とDPOは、障害を持つ人々に平等な機会を保証するために単独では働けない。 国家政策、管理構造、政府の各省、NGOやその他の関係者の支援(多部門協力)も必要とされる。
 国がCBRを実施するにはたくさんのアプローチがある。しかしそこには、CBR プログラムの持続性の一因となる若干の共通要素を持っている。 共通要素には、
I. 政策、調整、資源配分による国レベルの支援。
!!. CBR プログラムが人権アプローチに基づく必要性の認識。
III. 障害を持つメンバーのニーズに対応しようとする地域社会の意向。
IV. 意欲にあふれたコミュニティ・ワーカーの存在。
 CBR のこれらの重要要素を扱うために、国、中間(県)、地域レベルにおいて行動していくことが必要である。

 4.1 国のレベル
 
国家政策と支援が、中間のレベルでの管理と地方自治体の関与とともに、 CBR プログラムの不可欠な要素である。 CBR プログラムを推進、支援する国や特定省庁の管理構造よって、地域社会が国家のレベルと連係する方法は変化する。 しかしながら、すべての状態で、 CBR プログラムの全体的優先事項と立案を指導するために国家政策が必要とされる。 全国レベルでの調整と適切な資源配分は、成功した CBR プログラムで見見受けるその他の要素である。

  4.1.1. 国の政策
  
国家は、障害を持つ人々のリハビリテーション、機会の均等化、社会的、経済的イんクルージョンのための政策と法律を策定する責任がある。 このような政策は、CBR を戦略として特定に言及するかもしれない。
  国連「障害者の機会均等化に関する基準規則」、国連「子どもの権利条約 」( 2条と23条)、ILO「障害者の職業リハビリテーションおよび雇用に関する第159号条約」とそれに関連する勧告第168号、ユネスコ特別な二ーズ教育に関する「サラマンカ宣言と”万人に教育を”の行動の枠組み」、WHOのプライマリー・ヘルス・ケアの一部としてのリハビリテーションのケア確立のための「アルマアタ宣言」、「女性の地位向上のための北京行動綱領」(60, 82, 175, 178, 232節)を初めとする、障害に関連する国際的法律文書と宣言は国家政策策定の手引きとなる
  国家政策も、「1次、2次のアジア太平洋障害者の十年」、「アフリカ障害者の十年」、「アラブ障害者の十年」の宣言や、および「障害者に対するあるゆる形態の差別除去に関する米州条約」のような、障害に関する地域の宣言を考慮するかもしれない。

  4.1.2. 国による CBRのコーディネーション
  
多くの国は、効果的な CBR プログラムのために必要とされる多部門協力を、全国レベルの調整機構が保証することが必要であることに気付いた。 調整のための機構は政府が好むアプローチによって変わるであろう。 例えば、 CBR支援のために連携する種々の省庁の代表者から成る国家調整委員会があるかもしれないし、1つの省が CBR プログラムへの支援の調整に責任をもつかもしれない。

  4.1.3. CBRの運営構造
  
国の CBR プログラムでは、政府が主に管理の役割をになう。 1つの省が通常リードをとって、そして次に運営の枠組みを提供する。 どんな省でも CBR を始めることは可能であるが、しばしば保健、社会問題に責任を持つ省、あるいは教育、労働ような他の省に行なわれる。
  1つの省が CBRプロGラムを始めて調整にあたるかもしれないが、労働、社会問題、教育、保健に関するのための省の関与はその成功に欠くことができない。 これらの省は相互にだけではなく、障害者の参加に関連があるアクセスの問題を扱う、例えば、住宅、交通、農村開発に関する省のようなすべての省と協力する。 財務省の関与は、 CBRへの財政支援を保証するために重要である。
CBR を支援するすべての部門間の協力は不可欠である。 これは、地域社会の活動支援のためにリファーラル・サービスが提供される中間/県レベルにおいて特に重要である。
  NGO と同様、すべての省にとって協力して働くことは非常に重要である。 1つの省が運営形態を準備するがとはいえ、 CBR プログラムに参加している地域社会がサービスと資源の援助にアクセスできることを保証するために、全部門が重要な役割を演ずる。

  4.1.4 資源の割り当て
  
CBRへの国の資源の配分ははいろいろな方法で行なうことができる。 一つは、訓練あるいは支持サービスの強化のような、CBR プログラムの段階を支援する資金の直接的割り当てである。 もう一つの方法が、特に貧困削減戦略プログラムですべての開発に関するに新規事業に障害の部分を含めることである。 政府も NGOs 、企業、メディアに CBR への支援を奨励ができる。

  4.1.5. 国の支援
政府の運営体系と強力に繋がってCBR プログラムは、孤立して動いているCBR プログラムより通常影響が大きい。 政府の支援の欠如で、地域のグループあるいは NGOが始た小規模CBR プロジェクトの存在は可能だが、その影響は限定されたままかもしれない。 もし小規模プロジェクトが政府のサービスに繋がることが可能なら、よりいっそう持続可能である。

 4.2 中間(県)レベル
 
各国は異なるレベルでの CBR プログラム運営方法を決定する。 ある国々は各行政レベルで調整を行ない、ある場合には各行政レベルで委員会を持っている。 経験によると、中間(県)レベルが地域社会支援の調整のための重要ポイントである。 従って、CBR マネジャーがいることと、多分 CBR に責任をもつ中間(県)委員会があることは、特に重要である。

  4.2.1. CBR マネジャー
CBR プログラム・マネジャーは、通常、プログラムの運営の枠組みを準備する省の中で働く。 例えば、もし社会問題省が CBR の責任を持つなら、社会福祉担当官は自分たちの仕事の一部として恐らくCBR を担当するであろう。 もし保健省が担当しているなら、プライマリー・ヘルス・ケア要員が CBR に対して責任を持つかもしれない。 理想的には、 何人かのCBR マネージャーが障害を持つ男女になることであろう。 CBR プログラムマネージャーの任務は、プログラムの実施とモニタリング、コミュニティ・ワーカーの訓練への支援や監督、種々の地域社会の委員会の連携、そして地域社会と他の資源の連携を含む。

 4.3 地域社会レベル
 
CBRは地域社会のものであるから、地域社会の代表者たちが CBR プログラムの立案、実施、評価に関与しなければならない。

  4.3.1. CBRの必要性の認識
 
プログラムが始まる前に、地域社会はCBR の必要性に気付いていること不可欠である。 地域社会外の人々がCBR プログラムに着手するとき、地域社会はそのようなプログラムが必要であると信じないかもしれない。 中間(県)レベルからのプログラム・マネジャーは CBR プログラムの必要性とその利益について認識を高めるためにそれぞれの地域社会と共に働く。 マネジャーは、障害を持つ人たち自身と彼らの家族が自分たちののニーズを明確にするのを保証するであろう。 地域社会のミーティングの間に、ニーズを論じ、地域社会はCBR プログラムを通して調和した方法でニーズを自分たちで取り扱り扱いたいかどうか決めることができる。

  4.3.2. 地域社会の関与
  
もし地域社会が障害を持つ人々のニーズを扱おうと決めるなら、 CBR プログラム設置ののプロセスの開始は可能である。 CBR実施の1つのアプローチが、既存の地域開発委員会、または村長あるいは町長がトップとなっている機構の指導力によってである。 この委員会は地域社会の開発活動を指導する。 このような委員会は、CBR プログラム維持のために協力せねばならない、政府や民間の多くの部門を調整する役を務めるのにに適している 。 例えば、地域開発委員会は、インクルーシブ教育促進のために教育の部門と、障害をもつ人々がアクセス可能な輸送のシステムを開発するために運輸省と、親が家の外で用ができるよう障害を持つ子供たちの面倒を見ることをいとわないボランティアのグループを作るためにボランティア団体と協力することができる。
  障害を持っている子供と大人両方の平等な参加のための地域社会の活動は、国によってそして一国内でも大いに異なる。
  障害を持つ市民のインクルージョンに責任をとるように地域社会を奨励する国家政策の指導があってさえ、いくつかの地域社会はこのことを優先事項として認めないかもしれない。 あるいは、地域開発委員会のメンバーは、CBRを大事にしなければならないと決定し、そして独立したCBR 委員会を設立するかもしれない。 このような委員会は、地域社会開発委員会の代表者、障害を持つ人々、障害を持つ人々の家族、教師、保健ワーカー、その他の地域社会の関心を持つメンバーで構成されるかもしれない。
  CBR 委員会が責任をもつのは、地域社会で障害を持つ人々が認めたニーズに対応し、地域社会で彼らのニーズに認識対する認識を高め、地域社会の外で利用可能な障害を持つ人々の支持サービスについて情報を入手し分かち合い、必要なサービスを創造、強化、調整するために支援サービスを提供する部門と共に働き、学校、訓練センター、仕事場、レジャー、社会活動への障害を持つ人々のインクルージョンを促進するために地域社会の中で働くことである。 これらの仕事のほかに、委員会はその活動を支援する資金を集める。
  CBR 委員会メンバーは地域社会の多くの問題の解決方法を知っているかもしれないが、教育、労働、保健、社会、その他の部門で専門家から時々追加の情報を必要とするだろう。 例えば、家族が家での障害者の日常生活動作を向上させる方法を探しているかもしれないし、ボランティアやコミュニティ・ワーカーが障害を持つ人々と彼らの家族を支援する際に訓練を必要としているかもしれないし、教師や職業指導者が自分たちののクラスに障害をもつ子供や青年を参加させることに関して訓練を必要としているかもしれないし、ビジネスで働く人たちが障害を持つ人々のために仕事場を改造する方法に関してアドバイスを必要としているかもしれない。
  それ故、情報の交換は CBR の主要構成要素である。 すべての部門は、地域社会で情報を分かち合い、互いに協力し、障害を持つ人々に提供する特定のサービスを強化して、CBR を支援すべきである。

  4.3.3 コミュニティ・ワーカー
  
コミュニティ・ワーカーが CBR プログラムの中核を形成する。 彼らは通常、障害を持つ人々を援助する活動を行なうために、各週若干の時間を提供するボランティアである。 障害を持つ人々と彼らの家族は、CBRワーカーとして重要な貢献をすることができる。 時には、教師、ヘルス・ワーカー、ソーシャル・ワーカーがこの役割に自分たちの時間を提供する。 関心を持つ他の地域社会メンバーにも、自分たちの時間を提供するよう奨励できる。
  CBRワーカーは、日常生活での単純な仕事を実行すること、あるいは自立度を向上させるために単純な自助具を作成することについてのアドバイスを含めて、手話でコミュニケーションをしたり屋外で動き回るために白杖を使うなどの情報を、傷害をもつ人々や彼らの家族に提供する。 地域社会のCBRワーカーは、アクセスとインクルージョンを向上させるために、学校、訓練センター、仕事場、その他の組織と連絡を取ることで、障害を持つ人々の権利擁護者の役割も務める。 さらに、 CBRワーカーは地域社会の外で利用可能なサービスについての情報を提供し、障害を持つ人々の家族とそのようなサービスを結び付けるの役割を果たす。
  CBRワーカーの責務の説明によれば、障害を持つ男女と彼らの家族がこの役割の優秀な候補者であることは明確である。 DPOのCBR プログラムへの参加が増加するにつれ、障害を持つCBR ワーカーの数も増加した。 にもかかわらず、CBRワーカーとしてもっと多くの障害をもつ人々が関与していく必要がある。
  CBR ワーカーの求人と訓練は、彼らのやる気の維持と転職への対応は、 地域社会のリーダーと CBRプログラム・マネジャーが努力せねばならない重要課題の一つである。 定期的現場訓練、最良ワーカーの年次表彰、感謝状、ユニフォームの提供のような報賞物が CBR ボランティアに提供されることもある。 これは国や地域社会の習慣によるだだろう。

5. CBRへの多部門支援
 
CBR での多分野協力は、地域社会をサポートし、障害を持つ人々の個別のニーズを扱い、DPOの役割を強化するために、不可欠である。 政府省庁間の協力に加えて、これらの省とNGO、民間部門の間に協力が必要とされる。 それは現場と中間のレベルにおける地域社会とリファーラル・サービスの間、そして現場と中間、国のレベルにおけるさまざまなリファーラル・サービスの間で必要とされる。 一部門での国、中間、地域社会レベルの間での協力は、適切なリファーラル・サービスが開発され手渡されることを保証できる。

 5.1 社会部門からの支援
 
社会問題に対する責任の分担のしかたは国によって異なるが、一般的に扱われる問題には、障害年金、福祉機器、住居、職業訓練と雇傭、他の部門からのサービスを必要とする個人のためのリファーラルの調整がある。 もし社会問題省がCBRを始めるなら、社会福担当官はプログラムのマネージャーとなるかもしれない。
 現場レベルに社会問題省の職員がいないかもしれないが、県(中間)レベルに配置された職員が社会・経済状態に精通していて、NGO部門を含めむ県(中間)レベルにおける資源に関する知識があることは普通である。 こういう情報は CBR プログラムで、特に障害を持つ男女のための職業技能訓練や仕事の機会を見つけるさいに非常に有用である。 社会問題省からの職員は、地域社会の資源に関して、他の省からの職員はもちろん障害を持つ個人や家族にアドバイスすることができる。

 5.2 保健部門からの支援
 
世界保健機関 (WHO) は、「単に疾病または病弱の存在しないことではなく、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態」(1951年官報掲載)として健康を定義している。 アルマアタ宣言(1978)は、プライマリー・ヘルス・ケア( PHC )は万人が健康に達成する鍵であると述べている。 そこでは、PHCは推進、予防、治療、リハビリテーションのサービスを提供し、地域社会で主要な健康問題を扱うためにも必要であると述べている。
 保健制度には通常、福祉機器を含めて、医療とリハビリテーションサービス提供の責任がある。 大半の基本的リハビリテーション活動は、地元の資源を使って障害者自身の地域社会で実行可能である。 この意味で、提供者と支援者の両方としてPHCは主要な役割を演ずることができる。 障害を持つ多くの人々は、自分たちの地域社会の外での専門的リハビリテーションにリファーラルされる必要がある。 PHC人員が、障害を持つ人々と、理学療法、作業療法、言語療法、義肢装具、矯正手術のような専門的サービスとの結付けを進めることができる。
 PHCもCBR 活動を支援している。 地域レベルにおいて、通常、保健あるいはリハビリテーションのぢちらかに専門的人員はいない。 それ故に、 PHC人員は損傷の早期発見を実施し、障害を持つ人々に障害を基本介入を行なう責任がある。 さらに、彼らは基本的なリハビリテーションの知識と技能を地域社会、特に CBRワーカーに移転することができる。
 保健部門は、リハビリテーションが PHC の一部であることを保証して、そして障害とリハビリテーションに関してPHC人員に訓練を行なうことに真剣に努力をする必要がある。 保健部門も専門的サービスを強化することができるので、 PHC 人員と CBRワーカーにとってより良き支援者である。 最も効率的であるために、リハビリテーション・サービスは保健制度の中でその他の全てのサービスと協力しなくてはならない。 障害を持つ人々に平等な市民権を保証するために、教育、労働、社会問題部門と協力することも必要である。

 5.3 Support from the Educational Sector
 
もし「万人のための教育 (Education for All) 」の目的が達成されるなら、地域社会と教育部門で良き協力が肝要である。 途上国で障害を持つ子供たちの90パーセント以上と一緒に学校に行っていないので、これらすべての子供たちのために教育へのアクセスを保証するために、手段が講じられなければならないことは明白である。 地域の学校はこの仕事で主要な役割を演ずる。
 教育部門は、さらにインクルーシブになる普通校の制度の中で地域の学校を支援することで、CBR に重要な貢献をすることができる。 これには、例えば、すべての子供たちに融通のきかないカリキュラムへの順応を期待するよりむしろ、彼らのニーズを満たすためにカリキュラム内容と教授法を改変することがある。 学校は、すべての子供たちに質の高い教育を提供するために教授法変更への支援が必要かもしれない。 学校制度の中に、地域の学校と分かち合うことができる知識や技能を持つ多くの人々がいる。 例えば、特別なニーズを持つ子どもだけを教える学校があり、それらの学校からの教師は地域の学校の教師にとっての資源として働くことができる。 すでにインクルーシブな学校は、すべての学習者のニーズに反応して、敬意をもってすべての子供たちを扱い、モデル学校となる方法を他の学校が学ぶ助けをすることができる。
 普通校制度は、すべての学齢期の子供たちの教育に責任をもたなくてはならない。 これには、いくつかの地域社会でしばしば見落とされる、障害をもつ少女に焦点を合わせることを含む。 これをするには、地域社会はすべての子供たちに開かれたインクルーシブな学校が正当な場所を得ているところであるから、地域社会が不可欠なパートナーとなる。 どの既存レベルで外部の支援が提供されるかによって、広範な追加的支援を必要とする重複あるいは重度障害を持つ子どもを、特別なユニットで教えられるかもしれない。 特種学校は学校制度の中で重要なパートナーであり、インクルーシブ教育の促進においての資源として普通校のために使われるかもしれない.
「万人ために教育」を促進するために、教育部門は、インクルーシブな学校における新しい役割に応えて、教室、設備、教材が利用できることを保証するだけでなく、普通校と特殊校両方の教師の初期訓練と現場訓練を改変しなければならない。
 教育部門は、障害を持つ子供たちの教育の質と教育面でのアセスメントに責任を持たなくてはならない。 ある国々では、これは医学の責任だと見なされる。 障害を持つ子供たちが病気の子供たちとして扱われるべきではないと、強調しなければならない。 彼らのニーズと念願はすべての子供たちの人たちと同じである。

 5.4 雇傭と労働部門からの支援
 生産的で適切な仕事は、障害を持つ個々の男女の社会的経済的統合に欠くことができない。 収入がある暮らしは、所得、自尊心、帰属感、より大きい地域社会に貢献するチャンスを個々人に提供する。 CBR プログラムと雇用・労働部門の協力は、障害を持つ青年と大人の両方に地域社会レベルで訓練と仕事の機会へのアクセスを保証するために不可欠である。 雇用と労働部門は職業訓練、雇用、良い労働条件を促進する。 社会サービス省と同様、職業訓練、雇用、労働省は、メインストリームの職業訓練研究所と専門的訓練センターやプログラムを通して職業リハビリテーションサービス、職業指導、技能訓練を提供することによって、社会的経済的統合を容易にする。 雇用と労働部門は国家の政策と法律を通して平等な雇用機会を奨励する。 当該部門によって準備された雇用サービスは、一般労働市場で雇用機会を見つけるために障害を持つ求職者の助けとなる。 さらに、障害を持つ労働者を雇用することで、民間のサービスは良い手本となることができる。地域社会レベルで、雇用主トレーナーまたは地元企業による非公式な見習いは、雇用にふさわしい技能を学び実際的な経験を得る機会を障害を持つ個々人に提供することができる。 職場内研修の実施、障害をもつ従業員の雇用、障害を持つ起業家の指導、職業訓練センターへの最新技能条件ニ関するアドバイスの提供によって、ビジネス業界は CBR に貴重な支援を行なうことができる。 零細企業や中小企業の開発プログラムは、ビジネス技能訓練と諮問サービスを提供できる。 それらは、障害を持つ人々を含めてた男女が自分たちのビジネスを始め自営できるように支援するために、融資が使えるようにできる。 このようなプログラムはしばしば貿易・産業省、あるいはNGOだけでなく独立行政機関によって責任がある省によって運営される。 このようなプログラムへの障害を持つ青年や成人の参加を保証するには、CBR プログラムでははしばしば特別な努力が必要とされる。

 5.5 NGOからの支援
 
大半の地域社会には、CBR プログラムへ貢献可能ないろいろな NGOやグループがある。 ここには、女性グループや青年グループの他に、救援団体や開発団体、宗教団体が入るかもしれない。 このいくつかがを持つ人々にをサービスに提供するかもしれないが、他の人たちが自分たちの活動にそれらを参加させる特別に努力をすることができる。.
 政府の政策の枠組みの中で、 国内、国際NGOも地域社会でプログラムを始め次にそれを拡大すること、CBR プログラムマネージャーや他の人員を訓練すること、CBR に寄付する種々の部門の中でのサービスの強化を手伝うことによって、CBR の開発に重要な貢献をすることができる。

 5.6 メディアからの支援
 
新聞、ラジオ、テレビ、インターネットは、障害問題についての情報を大衆に提供し、学校、仕事あるいは社会環境において障害を持つ個々人のポジティブなイメージを提示できる。 すべての CBR 関係者は、優先事項を見つけ適切な情報を提供するために、メディアと密接に働くべきである。

 5.7 地域社会支援のための協力
 
もし上述のいろいろな部門が孤立しているなら、 CBR はうまくいかないであろう。 次の例で上手にいくことができる協力の型を説明する。
 CBRワーカーは、一度も学校に行ったことがなく、移動と学習に問題がある年長の子どもについて情報を持っている社会福祉担当者と連絡を取る。 担当者とCBRワーカーは家族が保健サービスや学校と連絡を取るよう促すために協力する。 保健サービスは何かが子供の移動を高めるため何かできるかどうか見るために状況評価をする。 学校では教師が子供の学習ニーズを評価する。 例えば子供に車椅子が必要であり支払う資金がなければ、社会福祉担当官はNGOを含む他の部門からの援助を求める。
 地域社会のサービスに固執するのではなく、その人の全体的なニーズを考慮する支援サービスは、他のサービスと協力する可能性がいっそう高い。 政府のサービスのみでは障害を持つ男女に職業や社会的インクルージョンを提供できないので、地域社会での他のリソースグループとの協力が必要である。.

6. CBRのさらなる発展
 
CBR は、特に農村地帯に住む障害を持つ人々のニーズを満たす効果的な戦略として今多くの政府によって認められている。 これらの国で農村の地域社会が CBR プログラムを確立した。 しかし、既存の CBR プログラムが他の地域社会に自分たちの活動を拡大し、ジェンダーに平等に当然与えられるべき注意を払い、すべての年齢層の障害を持つ人々を参加させるよう奨励することが必要である。 プログラムの拡大には、サービスのマネージメントと提供に関係する人々の訓練を必要とする。

 6.1 CBR プログラムの拡大と発展
 
既存の CBR プログラムは、支援サービスにアクセスできる地域社会、あるいは NGOがプログラムの設立を促進した地域社会で見いだされる傾向にある。 県(中間)レベルでの保健や社会の部門からの支持サービスへのアクセスが限定された農村社会で、CBR を拡大する必要がある。 スラムに住む障害を持つ人々に手を差し伸べるために大都市に CBR を拡大する必要もある。
 地域社会が十分に発展していない難民キャンプのような場所でも、始められるかもしれない。 このような環境においてさえ、地域社会のリーダーが決められ、自分たちのグループのニーズを知らせるよう促されるかもしれない。 グループの中に、リハビリテーションサービスが必要と見られるかもしれないが、技能訓練や職業斡旋のような難民に提供される他のプログラムでは一緒にやれない障害を持つ人々を含むことになろう。

  6.1.1 ジェンダー平等
  
多くの CBR プログラムは、ちょうど少年や男性たちがしているように、障害を持つ少女や女性が教育、仕事と社会の機会を必要とすることを認識している。 それでもなおかつ、教育や訓練のための資源の分配はしばしば男性に有利にはたらく。 CBRワーカーは、家族と地元の学校に障害を持wつ少女が教育にアクセスすべきであると説得するのに特別な努力をしなければならないかもしれない。 障害を持つ女性は他の女性による特別な訓練を必要とするかもしれない。 女性に小規模ビジネスのローンあるいは経済援助を提供するプログラムでは、障害を持つ女性は無視されているかもしれない。 DPOとCBR実施者は、障害を持つ少女や女性の完全参加を促進する際に演ずるべき特別な役割を持つ。.
  CBR プログラムは地元の女性のグループや活動の中で障害を持つ女性の統合を促進することもできる。 地域社会の中でさらに障害を持つ女性にもっと交流の機会と資源を用意することに加えて、交流は障害のない女性が障害を持つ人々に関する自分たちの態度と期待を変えるという結果になるかもしれない。

  6.1.2 全年齢層の参加
  
CBR プログラムはしばしば教育を完了し仕事の技能を発展させるための支援を必要とする子どもや若い成人に焦点を合わせ、そして実際に、心臓病、糖尿病あるいはHIVのような慢性の症状をもつ人たちを含めた中年や高齢の成人の役に立っている。 中年の障害を持つ人々は働き続けることを望むかもしれない。 障害を持つ高齢のた人々は、家族や友人との交際を続けることを望むかもしれない。 福祉機器、支援サービス、あるいは訓練は、障害を持つ成人に自分たちのの生活の質を維持するために必要とされるかもしれない。 このようなニーズを満たすために、CBRプログラムを拡大すべきである。

 6.2 CBRのための訓練
 
CBR プログラムの経験では、プログラムの効率的なマネージメント、DPOの有意義な参加、リファーラルや支援サービスを提供するCBRワーカーや専門家によるサービスの満足のいく支給を保証するために正式な訓練が必要とされる。

  6.2.1. 運営の訓練
  
CBRの運営では、通常中間あるいは県レベルに活動の中心部がある。 CBR に対して責任がある省は CBR プログラム運営要員を訓練するかもしれないので、彼らがニーズがサービスを必要とする人々を見つけ、サービス提供部門や地域社会と調整を行ない、記録をつけるような仕事を実行することが可能である 。

  6.2.2 DPOのための訓練
  
DPOも地域社会と国や中間(県)レベルの間の連絡係として働くように、訓練を受ける必要がある。 彼らは、例えば、権利擁護、調整、立案、計画、プログラム評価における技能や資金集めを必要とするだろう。

  6.2.3. サービス提供のための訓練
  
CBR コミュニティ・ワーカーと専門的サービスを供給する専門家提供の、2つのグループがサービス提供に関与している。
  CBR ワーカーは障害を持つ人々の訓練に使う技能を学ぶ必要があり、十分に役立つ方法でこの訓練を行う方法を学ぶ必要がある。 彼等は、一方では障害を持つ人々と家族、他方ではコミュニティ・リーダーと専門的サービス提供者の間のコミュニケーションを容易にする役割のために訓練されることも必要である。
CBR ワーカーの訓練に対しての投資は CBR プログラムの重要な局面であり、マネージャーがワーカーの転職率を最小にしようとする意欲を与えるにちがいない要素である。
  健康、教育、社会部門、職業部門で専門的サービスを提供する専門家も、障害を持つ人々と家族の権利に気付くように訓練を必要とする。 サービス提供者の一部は、人々がどのサービスを望むか望まないかを決定するのに必要な情報提供に熟練していないかもしれない。 彼らも、聴覚、視覚、移動、理解、行動などのさまざまなタイプの損傷を持つ人々とコミュニケートする方法を訓練を必要とするかもしれない。
  これらの訓練の局面は専門家の基礎訓練に含められるべきであるが、それが成されるまでは特別な訓練プログラムが提供されるべきである。

7. おわりに
 
人権、貧困削減、インクルージョンに焦点を当てたプログラムに障害を持つ人を含めることによって、 CBR は彼らの機会の均等化のためにコミュニティ・レベルの活動を増やすのに効率的な作戦である。
 WHO、ILO、UNESCOは、CBRプログラムの立案と実施への障害を持つ人々の参加の重要性、障害をもつ人々によって使われるサービスを提供する部門間の協力、政府の支援と国CBR政策の必要性を強調する。
 すべての国と部門に求められているのは、
  ● CBRを、障害を持つ人々のためにで人権と貧乏削減に適切な政策と戦略として採用する
  ● 全国的な CBRプログラムに支援を行う
  ● コミュニティ開発の中で CBR を進めるための多部門協力の状況を作る。

                          (翻訳 中西由起子)